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2009.10.10 (土)

「 自由と民主主義を守る台湾に“一条の希望”の立法院補欠選挙 」

『週刊ダイヤモンド』   2009年10月10日号
新世紀の風をおこす オピニオン縦横無尽 808

9月27日、台湾西南部の雲林県で立法院補欠選挙が行われ、台湾人の政党、民進党が大勝利した。

国民党の議員が先の総選挙で票を買収し、当選無効とされたことを受けての今回の補選では、中国系の国民党の公認候補、国民党系の無所属候補、民進党の公認候補の3人が競った。

民進党の劉建国氏の得票は74,300、他の2人の合計得票、57,000を17,300票、上回っての勝利だった。民進党は1年半前の総統選挙で惨敗し、その前の立法院選挙では、立法院の議席の約4分の3を国民党に奪われた。今回の補選結果は、今年末に予定される統一地方選挙での民進党の逆転勝利を示唆するのだろうか。

馬英九総統の支持率は政権発足以来、下降線をたどり、8月の台風被害への対応の遅れで急落した。台風の犠牲者は最終的に死者・行方不明者700人を超えた。時々刻々と被害が拡大するなかで、馬政権の閣僚らが、レストランで会食したり、理髪店で髪を染めたりしていたことが明らかになり、馬総統の支持率は10%台に急降下した。内閣は9月10日に総辞職したが、その間にも、台湾の変化を思わせる出来事があった。

その一つが、世界ウイグル会議議長のラビア・カーディル氏の映画上映である。10月に高雄市で行なわれる映画祭で氏のドキュメンタリー映画が上映されることになった。馬政権は、しかし、彼女にビザを出さなかった。馬総統は、カーディル氏を「新疆ウイグル自治区で起きた大規模暴動の扇動者」「民族分裂分子」として激しく非難する中国の反発を恐れたのだ。

対して、高雄市を先頭に台北、台南、台中、屏東(へいとん)の5市がカーディル氏の入国が許されなくても映画を上映すると決定した。高雄市長の陳菊氏は民進党に属し、8月末のダライ・ラマ法王の台湾招待を推進した中心人物の一人だった。

中国は高雄市に圧力をかけ、中国人観光客全員の予約をキャンセルした。国家の意思一つで個人の楽しみも消し飛ばされる。これが中国共産党一党支配政治の特徴だ。陳市長は中国の圧力に抗してこう述べたといわれる。

「自由と民主主義が台湾を台湾たらしめる価値である。この価値を手放すことは、チベットやウイグルのような犠牲を許容することにつながる」

中国に正論を突きつけ、屈しない。台湾人にとってどれほど心強かったことだろう。

今、国際社会における台湾の地位は、危ういところにある。弱肉強食ともいうべき台湾をめぐる米中の対応を、台湾と同じく米中に挟まれている日本人は深く心に刻んでおくべきだ。米政府はもはや中国を刺激してまで台湾を積極的にかばいはしないだろう。台湾は自らの国と国民を守る精一杯の準備をしなければならない。台湾の悲劇はその場合でさえ、米国に武器装備を依存しなければならないことだ。

9月28日、米国バージニア州で開かれた米台国防工業会議では、台湾国防次官がF16戦闘機などの台湾向け輸出の遅れに苦情を述べた。台湾空軍には旧型F16しかなく、改良型のF16を求めている。だが、オバマ政権は中国への気兼ねから輸出しないのだ。

それでも、台湾が自由と民主主義の国でいたいと願うなら、中国に併合されずに、持ちこたえなければならない。中国共産党一党支配が崩れ、状況が変わる日まで、どれだけかかるかはわからないが、その間、台湾にはただの一度の失敗も許されない。非常に厳しい状況で現状維持を続けるには、まず、台湾は台湾人の国だという明確な認識と、その点について揺らがない強靱な精神を持ち続けることだ。

第一歩が、中国系の国民党政権の実態に気づくことであろう。その点で国民党候補を退けた補選の結果に、私は“一条の希望”を見るのである。

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「 自由と民主主義を守る台湾に“一条の希望”の立法院補欠選挙 」

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